採用面接の際、面接官が応募者にしてはいけない質問は何ですか?
【質問内容】
採用面接の際、面接官が応募者にしてはいけない質問を教えてください。
以前は聞くことができた質問であっても、いまは戸惑うことがあります。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
なぜ、採用面接時に、質問してはいけないことがあるのでしょうか。
それは、職業安定法第5条の4及び平成11年告示第141号により、特定事項の個人情報を収集することが禁止されているためです。
公正な選考を進めるための大前提が2つあります。
1.採用の機会がすべての人に開かれていること
公正な選考のために、条件や基準に当てはまる人は、すべての人が応募できるように求められています。
特定の属性に関する質問をして、採用から締め出すことは禁止されています。
2.採用に際して差別をしてはいけない
採用に際しては適性・能力だけで選考をしなければなりません。
そのため、適性や能力に関係のない質問をすることは禁止されています。
面接で、応募者に聞いてはいけない11の質問
- 本籍・出生地に関すること、書類提出を求めること
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
- 住宅状況に関すること、家族の仕事の有無・職種・勤務先、家族構成なども含む(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観、生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
このほかにも、気をつけなければならないことがあります。
- 本人の責任ではないこと、本人が努力しても変えられないことを聞く
- 本人の自由であるべき事項を聞く
私生活は基本的に自由なので、仕事を進めるうえでの資質・能力と関係のない事項を尋ねることは禁止です。 - 「結婚のご予定はありますか」「お子さんができても仕事を続けますか」のような質問
私生活の自由という観点から禁止の質問です。ハラスメントの観点でも不適切な質問と言えます。
面接時の対策
上記のように、応募者に聞いてはいけないことを質問するのは、法律違反となります。
リスクマネジメントとしては、次の対策が有効です。
- 聞いていはいけない項目を、具体的な質問にする
- 「聞いていはいけない質問シート」として、まとめておく
- 面接官全員で共有する
万一法律違反となれば、厚生労働省から改善命令がでたり、場合によって、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。
会社の評判にも傷がつくでしょう。
今はSNSなどによってこうしたことが拡散される時代でもあります。
上記の対策のほかに、さらに一歩進んで、応募者に質問する内容もあらかじめ決めておき、全員で共有することをおすすめいたします。
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