中途採用と新卒採用。結局どちらがいいのですか?
質問内容
社員数100名以下の会社です。採用に関して悩みがあります。
専門知識のある中途採用者は即戦力になりそうなものの、配属するとあれができない、これができないと扱いにくい様子。
また、同業他社に転職されたり引き抜かれてしまうこともあります。
新卒は素直に吸収しますが即戦力にならず、なかなか育たないと配属先では困っています。
中途採用・新卒採用、どちらにしたらいいのでしょうか。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
私どもでは、採用活動のコンサルティングを行っていますので、中途採用か新卒採用か、どちらがいいのかというお悩みはお聞きすることがあります。
確かに、悩ましいところですね。
ご質問にあったように、一長一短ですので、どちらが良いと言い切れるものではありませんが、私は、新卒が採用できる状態であれば「新卒採用」をお勧めします。
しかしそのためには、時間をかけてでも育てる覚悟と育成プログラムを持つ必要があります。
なんとなく育つのを待つのではなく、意図をもって育てるということです。
中途採用のメリット、デメリット
中途採用の場合、経営者の方にどんな方を採用したいですか?とお尋ねすると、「即戦力!」と言われますが、たとえ専門知識を持っていたとしても、そんなに簡単に即戦力になっているとは必ずしも言えないこともお聞きします。
「即戦力を採用したい」という言葉の奥には「あまり育てるのに時間をかけていられない」
あるいは
「育てるのにそれほど時間がかからない人がいい」というお気持ちがありそうだな、と思います。
中途採用は、こうした利点もあり、特に専門知識や業界のことを知っている人を採用できれば即戦力のような気もしますが、やはり「負の財産」も持って転職してくるものです。
たとえば、ご質問の中にもあったような、業界を知っているために出てくる「これはできない」「これはしない」という発言からの扱いにくさや
待遇によって、同業他社に転職したり引き抜かれたりするのは、よくあることです。
即戦力を期待して同業他社からの転職を受け入れたということは、同じように、同業他社に移っていく可能性も考えなければなりません。
もちろん、専門分野に対する教育をせずにすむのは、中途採用のメリットです。
中途採用より新卒採用をお勧めする理由
私が、新卒採用をお勧めるのは、「長い目で見た場合」のプラスが多いことが理由です。
たしかに、中途採用に比べれば
- 即戦力にはならない
- 教育に時間がかかる
など、マイナス面が目立つかもしれません。
ですが、育成方法とその環境によっては
- エンゲージメント(愛社精神)が高くなることがある
- 定着率の向上にもつながる
というプラス面も、見逃せないところです。
「エンゲージメント」とは、「深いつながりを持つ関係性」を示しています。
一般的に使う時は、「エンゲージリング」という言葉があるように、婚約・誓約・約束などの意味を持つ単語です。
ビジネスにおいて「エンゲージメント」という言葉を使う場合、「企業と従業員の深いつながりを持つ関係性」となります。
「従業員が会社に対しての愛着心や、貢献したいという気持ちを深めたり持ったりすること」と言えるでしょう。
耳慣れた言葉でしたら「愛社精神」などがあげられます。
つまり、新卒採用をお勧めする理由である「長い目で見た場合」のプラスが多いとは、「エンゲージメント」を考えてのことです。
覚悟と育成のプログラムによってはぐくみながら「エンゲージメント」を向上したり深めたりすることに注力するほうが長い目で見たときに、定着率が上がったり、会社が良くなるのではないかと私は考えているからです。
まとめ
私は冒頭で、新卒採用ができるなら「新卒採用」をお勧めすると申し上げました。
ただし今後、採用したくてもできない時代が来るかもしれません。
今、「新卒採用」ができるならば、(採用活動をすれば応募者がくるならば)私は少し無理をしてでも取り組み始めることをお勧めします。
とはいえ、新卒採用は育つまでに時間がかかることも事実ですから、新卒採用を基本にしつつ、直近で助けてほしい人材は中途採用を行うのが、現実的な方法でしょう。
中途採用と新卒採用。
その一長一短を理解し、長期的なことを考え新卒採用を、目の前の業務を円滑に進めるために中途採用を行う。
つまり目的に応じて、中途採用と新卒採用をバランスよく組み合わせておこなうように計画を立ててみてください。
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