人事評価制度をはじめて作ります。なにから取り組めばいか教えてください。若手職人中心の会社です。
質問内容
電気工事業経営者です。若手職人を中心とした社員の人事評価制度を作りたいと思っています。
彼らが仕事にやる気を出し、社内のコミュニケーションが活性化し、定着率が上がるような評価制度にするには、なにから取り組めばいいのでしょうか。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
中小企業様で人事評価制度を作成なさる場合、最初から立派なものを作るのではなく、「ステップアップ式」で、少しずつ整えていくことをお勧めしております。
会社の成長とともに、人事評価制度も成長していく感じです。
中小企業様の人事評価制度についてのご相談は多いものです。
多くの場合、立派なものを作ったのはよいが、残念ながらうまく運用できていない、というご相談です。
また、人材育成に一生懸命取り組んでいらっしゃる経営者の方でも、人事評価については、苦心しながら取り組んでいらっしゃることが多いようです。
3つの評価項目
さて、今回のご質問には「若手職人中心の会社」とあります。
若手の方中心であれば、職種の違いに関わらず
まずは、社会人として必要なことができるように教育しながら、教育したことが実行できているか?という観点で人事評価制度を作ることがスタートだと考えます。
私がお勧めするのは、以下の3つを評価項目にしてみることです。
- 会社のルール
- 一般的な社会人のルール
- ビジネスマナー
ここに挙げた3つは、「できているか、できていないか」で評価できる項目です。
明確なものさしを持つ。
これがコツだと思っています。
一般的には、人事評価制度は3~5段階で評価することが多いのですが、この評価制度にするためには、以下の3つがそろわないとうまくいきません。
- 評価項目の策定
- 評価基準の策定
- 評価者訓練
特に3の評価者訓練をしっかり行わなければ、結局主観で評価するか、よくわからないと「普通」という可もなく不可もない評価に偏ってしまうため、人事評価制度がうまく機能しないということになってしまいます。
そのため最初は、誰が評価しても同じになるように「できているか、できていないか」を判断することがポイントです。
ステップアップの方法
はじめに、こう書きました。
最初から立派なものを作るのではなく、「ステップアップ式」で、少しずつ整えていく。
これは、人事評価制度への最初のハードルを低くすることが理由です。
では、どのようにステップアップしていくか、考えてみましょう。
人事評価制度は何のために必要なのか。
それは「会社と社員が成長するため」だと考えます。
ということは、人事評価制度を作ることそのものを教育と考え、トップダウンではなく、社員の方を巻き込みながら作ってはいかがでしょうか。
全員で意見を出し合いながら作ることは、人事評価制度だけでなく、社員のステップアップにもつながります。
ご質問にあったように「彼らが仕事にやる気を出し、社内のコミュニケーションが活性化し、定着率が上がるような評価制度」に、なることも期待できます。
では、どのように社員を巻き込んでいくか。
もう少し詳しく解説いたします。
まずは「1.会社のルール」。
会社のルールには、必要なルールと悪しきルールがあるはずですので、すべて洗い出し、話し合ってルール決めをします。
暗黙のルールも、明文化しましょう。
そしてルールは必ず守って実践することを、社員全員で約束します。
自分たちで決めたルールなのですから、守ってもらいます。
次の2つは、社員全員で勉強する必要があります。
2.一般的な社会人のルール
3.ビジネスマナー
社員全員で学んだうえで、何が社会の基準なのか、その中で自分たちに必要で守るべきルールは何かを選択し、人事評価項目にしていきましょう。
繰り返しになりますが、「できているかできていないか」の評価です。
評価基準は全員で学んで共有していますから、誰かの主観ではありませんし、なんとなくの評価である「普通」もありません。
「〇か×か」の判断です。
人事評価制度はステップアップ方式ですし、一度で完璧に出来上がるものでもなく、ブラッシュアップしていくものです。
1回評価するごとにブラッシュアップして、どんどん良いものにしていけばいいと、私は思っています。
それが会社の成長でもあるからです。
私はこのやり方を推奨し、様々な業種の方々と策定を行っていますが、最初の人事評価制度策定は、業種も職種も関係なく、だいたい共通のことが出てくるものだと思っています。
そして、その土台作りが「社風の良い会社」を作るための必須事項だと考えています。
社内のちょっとしたいざこざや、人間関係の不具合は、社内のルールが明確でないことが原因のひとつです。
一人ひとりが、主観で動いてしまうからですね。
人事評価制度がうまく機能し始めると、社内のちょっとしたいざこざは減りますし、人間関係はよくなります。
「社風の良い会社」はもちろん、人間関係が良い会社です。
そして、人間関係が良い会社は離職率も低いです。
まずはやってみましょう!
スタートしてやりながらブラッシュアップすればいいのですから。
もっとくわしく!とご興味がございましたら、ぜひお尋ねくださいませ。
最後に、もうひとつだけお伝えします。
もうおわかりのように、若手の人事評価制度の策定ということに限らず、全社員がこの人事評価制度をクリアする必要があります。
若手だけできて、上司や役員はできていないのでは、社風が良くなるはずがありません。
「社風の良い中小企業を作ること」
これが、私が大切に思っていることです。
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