中小企業の社長です。テレワークで時間の有効活用は進みましたが、一方、モチベーションが下がった社員が多いように思います。どのように指導したらいいですか?
質問内容
コロナ禍でテレワークが進み、最初は時間の有効活用で仕事がはかどったようですが、時間の経過ととともに、どうもモチベーションが下がる社員が多くなってきたような気がします。どのように指導したらいいでしょうか。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
テレワークの普及は、通勤時間も短縮でき、時間の使い方が有効になったと最初は喜んでいたけれど・・・ということです。
こうしたお話を時折聞くようになりました。
さて、・・・にはどんなことが入るのでしょうね。
実際に、ある企業にシステムエンジニアとして入社し「自分の生産性が下がったように思う」とお答えになった方のお話をしてみましょう。
どうしてそう思うようになったか。
その理由は、大きく3つありました。
- 困ったときに聞ける人がそばにいない
- 最初は意識高く取り組んでいたが、だんだんさぼってもいいか…と思うようになった
- 目標を見失った
この3つについて、詳しくみていきましょう。
①困ったときに聞ける人がそばにいない
おそらく先輩や上司は「困ったことがあったら、いつでも聞いてね」と教えていると思います。
にもかかわらず「困ったときに聞ける人がそばにいない」と、思ってしまう人は、実は少なくありません。
職場で仕事をしていれば、隣の席の先輩に、「すみません・・・」といってすぐに聞けるものを
テレクワークとなると、
電話したら迷惑かな?
では、メールにするにはどう表現したらいいかな?
こんなことを思いながら、時間がたつこともあるそうです。
まずは「困ったことがあったらいつでも聞いてね」という先輩や上司の「待ちの姿勢」から、「働きかける姿勢」に切り替えていただくことが大切です。
1日に何回か、先輩・上司から電話やメールで様子を聞く。
電話は最低でも、1日に1回必要です。
何もなければそれでいいのですから、声を聴くだけでその声のトーンから様子は推察できますものね。
これだけで、テレワークをしている写真は、おそらく安心するでしょう。
「安心・安全な状態を担保する」ことを心がけてください。
②最初は意識高く取り組んでいたが、だんだんさぼってもいいか…と思うようになった
こちらも、①の方法で解決の方向に向かうことがありそうです。
ポイントは「独りぼっちだと思わせないようにすること」。
電話をする場合は、業務連絡だけに終わらないように、「様子を聞く」「気持ちを聞く」「体調を聞く」など、業務連絡以外のことを引き出すような質問の仕方が大切です。
やがて「安心・安全な状態を担保する」ことにつながっていくでしょう。
③目標を見失った
社員に「目標を見失った」と言わせることがないように。
そのためにも、上記の①②であげた、日常のケアが重要です。
もしもテレワークの社員から「目標を見失っている」という言葉や、それらしきニュアンスのことが感じられたら、できればすぐに社員と会ってください。
それまでの電話やメールといったコミュニケーションから、さらに一弾深い方法である「会う」ことが大切です。
会うことによって、社員は「自分のことを大切にしてくれている」を、感じてくれます。
そして、社員と会ったら、じっくり話を聞いてください。
「会う」ことが物理的にかなわない距離でしたら、しっかり時間をとって電話で話すことや、表情を見ることができるようにZOOMなどで会話するとよいでしょう。
その際にやることは、アドバイスではなく「傾聴」です。
まずひたすら話を聞くこと、気持ちを聞くことです。
一度で気持ちを立て直すことはできないかもしれません。
また時間をおいて電話で話したりあったりしながら、気持ちに寄り添って、相手の気持ちが前向きになることを見守りましょう。
指導役の先輩や上司には、「傾聴のスキル」は必須です。
研修などを開催して学ぶ機会があるとより良いですね。
いかがでしょうか。
生産性を上げるも下げるも、実は人の関わりが大きいものです。
日常の関わりを密にするだけで生産性が落ちていくことを食いとどめることはできます。
逆に、特に何もないからと日常のケアをないがしろにすると、③のように、時間やエネルギーをたくさんかけてケアすることが必要になるわけです。
何もせず、よくなることはありません。
先輩・上司からの新入社員を含む後輩への、テレワーク下での指導のかなめは日常のケアです。
ぜひご指導に活かしてください。
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