新人の独り立ち。明と暗
私は、自分のメディアでいくどとなく、「マニュアルの重要性」を
お伝えしてきました。
しかし・・・
どうしたものかと思ってきたこともあります。
それは、経営者の方から、
「マニュアルは大切ですよ」と申しあげると、
「マニュアルどおりに動く社員では役にたたない」
というご返事が返ってくることです。
マニュアルって、マニュアルどおりに動くためにあるものではなく、
最低限の基準を明確にするもの。
そして、会社としての、お客様への約束事。
スタッフによってやることが違う、
応対が違うのでは、当たり外れがでます。
それでは、
「お客様、私どもは、スタッフによって当たりはずれがありますが
ご了承ください」
っていっているようなもの。
それでいいのでしょうか?ということです。
ですから、マニュアルは、
「あることが当然なもの」なのですが、
案外、無いとおっしゃる会社も多いものです。
特にお客様への応対マニュアル。
そこで、なんだか、あまりよくないイメージのある
「マニュアル」という言葉をやめて、
「行動仕様書」と呼ぶことにしました。
これだと、あるのが当たり前のように感じませんか?
企業に必要な行動仕様書は、最低限、「行動仕様書(業務編)」
「行動仕様書(応対編)」でしょうか。
あなたの会社にはありますか?
前者は手順書のようなものですから、あるかもしれませんね。
私の仕事は主に「行動仕様書(応対編)」とからんできます。
接遇とかマナーの基準を明確にするものですから。
さて、「行動仕様書(応対編)」に関して、
それがある会社とない会社での、新入社員が独り立ちできるかどうか、
について、大変顕著な事例がありましたので、ご紹介します。
もう、お客様応対に関する「行動仕様書」を
作成するお手伝いをしている企業があります。
コールセンターでご用件を承り、来店のご予約をいただく部署と、
来店後の応対をする部署の、
2つの部門の行動仕様書を作り続けています。
そして、新商品が出るたびに、行動仕様書を作りますから、
それはもう、売り上げ直結なのです。
創業10年強のこちらの企業様。
直近では、創業以来の利益が出たということで、
社員の皆さんにはご褒美が出ました。
なんと私にもいただきました。
この2つの部門のうち、コールセンターにこの春3人の
新卒新入社員が入社しました。
行動仕様書を一緒に作ってきた私は、
このコールセンターの仕事はなかなか複雑で、
新人さんが独り立ちするには時間がかかることをよく承知していましたが、
なんと!4~6月の四半期で、よい成績を残し、表彰された新人さんが
いたのです。
一人前になるのも大変ですが、それをよい成績を残すなんて!
これには、ご本人も、そして周りもとっても驚きました。
ご本人のがんばりはもちろんなのですが、
やはり、作成した行動仕様書を使って先輩がマンツーマンで指導した
たまものだと思います。
行動仕様書をしっかり使いこなして指導をすると、新入社員の独り立ちが
明らかに早いです。
営業的にいえば、すぐに数字が読める人に成長するということです。
もうひとつの事例。別の会社です。
最近、1月に途中入社した社員のの上司の方から、
なかなか独り立ちできないけれど、何が問題なのか、どうしたらいいのか、
とご相談がありました。
こちらも行動仕様書ができているのですが、
出来上がったタイミングが、その人が入社した2ヵ月後ぐらいでしたので、
前事例のように、入社したときから当たり前に行動仕様書がなかったと
いう事情がありました。
先輩社員さんは、その方に行動仕様書をわたしたものの、明確な指示を
出しませんでした。
「これを参考にしてね」という指示にとどまったようなのです。
その結果、6ヶ月たってもまだ独り立ちできず、
部分的にであっても、責任もって任せられる仕事がない、という状態です。
残念ですが、指示が明確でなかったので、行動仕様書を生かした指導が
できませんでした。
過日、その会社で、行動仕様書を使って研修をする場面で、
私はその方にはじめてお目にかかりました。
「行動仕様書をもらっていますよね?行動仕様書を使って仕事を
進めていますか?」と私。
その方は
「はい、もらっていますが、仕事が忙しくて、なかなか目を通すことが
できていません」との回答。
あらら。
新人さんこそ、これが役立つのに、これこそ、仕事の基本なのに
・・・残念!
そこで、最近はどんな仕事をしているのか、
何か困っていることがないのかをヒアリング。
電話でお客様からの問い合わせに応対する仕事を主にしていると
いうことなのですが、
なかなかそれがうまくいかないということ。
よくよく聞いてみると、それは行動仕様書の1番最初に
あるじゃないですか!
・・・という気持ちを抑えつつ、どんなふうに応対しているのか
聞いてみると、
お客様にお尋ねすることがいくつかあるものの、
それは残念ながら、作成した行動仕様書には記載されておらず、
先輩から教えてもらったことを自分のノートにメモして対応している
とのことでした。
お聞きすることが多すぎて、いざというときにメモが出てこず、
いまだにうまく応対できません。
お客様にお聞きすることは10項目ぐらいですが、
それさえ、今ある行動仕様書の備考欄にメモしなおせば、
あとは、その行動仕様書を見ながらその通りに応対すれば、
電話なのですから、相手には見えません。
な~~~んにも問題ないのに、
・・・と思いました。
この方の仕事の内容を、私は行動仕様書を作っていますから、
ある程度わかっています。
わかっているからこそ、話を聞いていると、仕事の手順が混乱している
こともわかります。
行動仕様書を使って新人さんの育成をするところまで、周知徹底
できなくて、
申し訳なく思うと同時に、今からでも遅くない!と。
行動仕様書が出来上がるタイミングもありましたが、
うまく活用できていない実態がわかりましたので、
活用の仕方を徹底、この社員さんも今は行動仕様書を熟読し
がんばっています。
結局、面倒だと思っても、「急がば回れ」です。
基本を徹底することこそが早道であり、近道なのです。
今回のこの2つのケースは、
行動仕様書を活用できているかできていないかが、
業績を左右するという、顕著な例でした。
もうひとつのポイントは、やはり、上司・先輩の指示の出し方
ですね。
前者の会社は徹底しています。
後者は会社全体に少しゆっくりです。
でも、改善点がわかるということはよくなるチャンス!
決して遅くはありません。
変化していく様子を見せていただけるのはとっても楽しみです。
さて。
あなたの会社には基準がありますか?
行動仕様書を作成することによって、基準が明確になります。
そして、それはお客様への約束事。
企業の責任でもあるのです。
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