家屋のリフォーム現場で働く社員を営業職としても育成したい。どのような方法がありますか?
質問内容
社員数5名のリフォーム業です。営業はほとんど社長がしています。
2名いる現場の仕事をする社員に、現場と営業という2種の仕事をさせたいと考えています。
どのように育成したらいいでしょうか。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
少数精鋭で業務を行う企業様にとっては、一人の社員がオールマイティに仕事をこなしてくれるのは、理想的なことだと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現実はなかなかうまくはいかないことが多いようです。
このご質問については、育成の前にまずはその2名の方の意向をお聞きすることが大切です。
会社の意向があったとしても、ご本人にその気持ちがあるか無いを確認します。
現場の仕事をなさる方は、おそらく採用時に「現場の仕事をする」ということに納得して入社なさっているでしょう。
「現場の仕事だけでなく、営業の仕事に配置転換もある」ということを伝えたうえで入社していれば、営業兼務も納得が得やすいでしょうが、そうでなければ「話が違う・・・」と会社への不信感につながってしまうことも。
最悪の場合、退職ということにもつながりかねません。
研修やコンサルティングなどをとおして「現場の仕事を行う専門職」の人を見てきましたが、現場の仕事が好きで取り組んでいる人とともに、人と接することやコミュニケーションをとることが苦手なため、現場の仕事を選んでいる人も少なくないようです。
前者の人は兼務の場合、仕事の配分をよく考えて取り組めばうまくいくかもしれませんが、後者のタイプは、おそらく、営業職は苦手でしょう。
無理に営業職へと話を進めると、やる気を失ったり、退職してしまうことも考えられます。
こうした適性も考えて取り組んでいただく必要があります。
ご質問にある2名を、もしも幹部候補生としてお考えであれば、そのこともお話しし、幹部になるには、様々な職種の経験が必要であることを伝え、やる気があるかの確認をなさってみても良いと思います。
「●年後を目標に」ということをお伝えになると、さらにがんばる意味が出てくると思います。
では、ご本人が納得したとして、営業職ができるようになるための育成の方法についてお話しします。
結論から申し上げると、次の手順で実施してください。
- ビジネスマナー・コミュニケーション研修を受講する
- 社外で実施している営業研修を受講する
- 社長から社内の営業職について指導する
ビジネスマナー・コミュニケーション研修を受講する
現場の仕事として採用された方の多くは、ビジネスマナーやコミュニケーションについて学んだ機会が少ないかもしれません。
営業職として活躍するためには、まず、人との接し方について学ぶ必要があります。
ビジネスマナーとしては以下は最低限、必要です。
- 第一印象の重要性や整え方
- 言葉遣い
- 名刺交換
- 電話応対やビジネスメールのルールなど
コミュニケーションの取り方としては
- 傾聴・・・お客様の話に耳を傾け意向を聞き取る
- ヒアリングのスキル
- お客様のご意向に沿いつつ、自社のサービスの価値を伝え、プロとしての一歩進んだ提案ができるスキルなど
家屋のリフォーム現場の経験が長く、専門的な知識やスキルを持っていても、営業の仕事は、それとはまた違う能力が求められます。
まずはこの基本を身に着けたうえで、営業職としての専門的な学びを深めることをお勧めします。
社外の研修を受講してもいいですし、弊社でご用意しているDVD教材を使うことも一案です。
社外で実施している営業研修を受講する
社員にとっては、初めての営業職です。
そのため「営業職とはどんな仕事をするのか」について、社外の研修を受講なさることをお勧めします。
研修会社などで公開セミナーとして開催されているものであれば、1名様から受講できるはず。
一般的な「営業職」について一通り学んでいただきましょう。
また、学んでいる期間は、現場の仕事量のコントロールが必要です。
そうでなければ、ただ業務量が増えて、大変なだけになってしまいます。
仕事の割り振りを明確にして、営業職について勉強できる体制を作ってください。
社長から社内の営業職について指導する
一般的な「営業職」についての学びを終えた社員には、社長様からご自身の経験を踏まえて、「自社の営業」についてお伝えしてください。
つまり、この機会に「自社の営業職のスタンダートを作る」という気持ちで取り組まれるとよいと思います。
マニュアル化しておくことで、次の人材の育成にも役立ちますので、記録を取りながら、仕事を覚え、実践していくとよいでしょう。
とくに、社長が一人で営業している企業様の場合、営業スタイルは「社長だからこその独自のもの」であったり、「社長の人柄や人脈によるもの」であることも少なくないはずです。
だからこそ、一般的な営業職について先に学んでいただくことで、どちらの良いところも活かしながら、本人なりの営業スタイルを確立していっていただく必要があります。
この際の注意点は、一般的な営業職について学んできた内容を、社長様が否定なさらずに「いいとこどり」しようという姿勢でご指導なさるとよいかと思います。
いかがでしょうか。
まずは、会社の意向を押し付けることにならないようにご本人の意思を確認し、そのうえで自社の営業職のスタンダードを作るつもりで、誰が行っても一定の成果が出る再現性のある営業職の確立を目指してみてください。
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