先輩になったのに、新入社員をあまり指導しない様子。どうしたら指導してくれるでしょうか?
質問内容
先輩になったんだから新入社員の指導をしてくれるかと思ったら、あまりその様子が見受けられません。
先輩としてをしっかり新入社員を指導してくれるようになるには、どうしたらいいでしょうか。
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
「今日から新入社員の〇〇さんがこの部署に配属になったから、よろしくお願いしますね」
と同じ部署の先輩たちに伝えておけば、きっと指導してくれるだろうと思うところですが、残念ながらそうでもない、という話は確かにあります。
原因は何なのでしょうか。
先輩社員にも、次のような言い分があるようです。
先輩社員の言い分
- そもそも、自分が指導する係なのか、はっきりしないから手が出しにくい
- 新入社員指導は大変だから、やらなくていいならそのほうが助かる
- せっかく教えてもすぐにやめてしまうことがあるから、いやだ
- 何と何を教えたらいいのか、はっきりわからない
- 教え方がよくわからない。
- できないときにどのように叱ったらいいのか。きらわれたくないし。
それでは、先輩が新入社員を指導してくれるようになるためにはどうしたらいいか、考えてみましょう。
①「1対1」の指導係として、先輩社員を任命する
「よろしくお願いしますね」だけでは、確かに指導係なのかどうかはっきりしていません。
「あなたは、今日からAさんの指導係です」と明確に伝える必要があります。
また、先輩が複数人いると、新入社員はだれに聞いたらいいか迷ったり、聞く人によって答えが違うと戸惑ったりするので、指導者は1人に決めておくことも必要です。
ただし、指導係の先輩がいないときのために「サブ指導者」も決めておくとよいでしょう。
②新入社員を指導することによる、先輩にとってもメリットを伝えておく
先輩社員には、新入社員を指導することは、「新入社員・会社のためでもあるけれどあなたのためにもなる」とメリットを、具体的に伝えておきます。
たとえば、人事評価制度で、後輩指導の評価項目などがある場合も、伝えておくほうがいいでしょう。
メリットがわかれば、取り組み方も変わってきます。
③当事者同士に伝えるだけでなく、会社全体に知らせておく
任命された指導係者は、直接指導に当たりますが、会社全体で新入社員を育てていこうという社風の醸成は大切です。
Aさんの指導係はBさんである、ということを社内で共有しておきましょう。
④何を教えるか、教える順番も決めておく。
新入社員が複数名いる場合は、指導者で集まって、
・何を教えるか
・どういう順番で教えるか
を、決めておくといいでしょう。
特に、直接の業務でなく、社員であればだれもが知っておく必要があることは、共通の資料を使って指導できるようにします。
⑤指導の仕方のスキルを学ぶ機会を作る (指導者のための研修をする)
先輩になったからといって、突然指導の仕方がうまくなるものではありません。
やはり、指導の仕方を学ぶ機会を作る必要があります。
これも、経営者にとっての大事な仕事です。
⑥指導期間中は、指導者同士で集まって進捗確認をする
会社は、指導者同士が集まれる機会を作るように進言しするとよいでしょう。
指導者には、指導者としての悩みもあるはずです。
同じ立場のもの同士で集まることは、モチベーションを維持することにもつながりますし、適度なガス抜きにもなります。
⑦上記①~⑥を仕組化する
①から⑥の流れを、「ブラザー・シスター制度」といいます。
新入社員を育てるときに、とても有効です。
新入社員が、訳も分からず、すぐにやめてしまうようなことはなくなるでしょう。
また、先輩社員にも「先輩」である自覚が生まれるため、互いに成長していきます。
まとめ
いかがでしょうか。大変そうですか?
人を育てることは、確かに簡単なことではありません。
最初からすべてをしなければならないと考えると大変ですが、できることから少しずつ初めて、記録を取り、年々ブラッシュアップしていかれるといいと思います。
また上記にご紹介した「ブラザー・シスター制度」を導入した企業様において
新入社員に「来年はあなたもブラザー・シスターになるかもしれませんね」と言っておいたところ、その心構えで新入社員研修を受けたという、頼もしい新入社員もいたそうです。
目標があるのは、大切なことですね。
私の経験では、この仕組みを構築し、実践してブラッシュアップしていくことは、新入社員の育成にとても役に立つと思っています。
ぜひお試しください。
新入社員が入社し、自分の部署に配属されたら、先輩として後輩を指導するのが当たり前だろう、というのは、どうやら少し違うようです。
「指導することが業務である」ということを明確にしておかないと、余計なことを押し付けられたと思う人も出てきます。
また、指導係に任せきりにするのではなく、教育部門を統括する立場の部署(または担当責任者)は、新入社員のサポートはもちろんのこと、指導係の先輩のサポートも忘れないようにしたいものです。
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