新入社員の髪色にびっくり!こんなときどのように指導すればいいですか?
質問内容
髪の毛の色はどれくらいまで染めていいか、と新入社員に聞かれました。
「常識の範囲で自分で判断してください」と言ったら、それはないだろう、と思う色に染めてきました。
一体どうしたらいいですか?
回答
この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?
経営者や人事担当者の方からすると、「髪の毛の色ぐらい常識の範囲で自分判断できないのか?」と思われるかもしれません。
しかし、右も左もわからない新入社員にとっては、「自分で判断する」ことはなかなか難しいものです。
まして、「常識の範囲で」と言われても、もしかしたら違うかも?と思う人もいるでしょうし、このケースのように、先輩社員が考える常識の範囲から逸脱している人もいるでしょう。
私たちが「常識の範囲」と思っていることの中には、実は自分の基準になっていることも多いものです。
しかしなんとなくうまくいっているのは、経験の中で判断できるようになってきているからです。
新入社員にはこの「経験」がないのですから、判断は難しいですね。
もちろんいずれ自分で判断できるようになってもらいたいですが、そのためには「新入社員が自分で判断するための基準」を前もって教える必要があります。
新入社員が自分で判断するための基準を作る
基準さえあれば、新入社員は基準に照らし合わせながら、だんだん自分で判断できるようになります。
それでもわからないことは、質問してくるでしょう。
こうした基準を作っておかないと、次のようなことが起こります。
- こんな小さなことまで?と思うようなことも質問を受け、それに対応することになる
- 質問することもなく、自分の判断、それも上司が考えているものとは違う自己判断で間違った行動をすることになる
これでは、先輩社員も新入社員も大変です。
中小企業の経営者のお困りごとの一つとして「こんなことまで私が答えたり考えたりしないといけないのか?」というご意見をよく聞きます。
経営者には、もっと考えたり行動したりしなければならない大切なことがあります。
ですから、本来の経営者としての職務に取り組みやすいように、基準を決め提示するようにしたらよいでしょう。
取り組みやすいのは、身だしなみ基準
社内の基準を明確にするうえで、一番取り組みやすいのは「身だしなみ基準」です。
髪の毛の色を含む、自社の「身だしなみの基準」を作りましょう。
できるだけ具体的に、新入社員が見てもわかるように。
文字で整えるだけでなく、写真やイラストがあるほうがよりわかりやすいです。
そして、「身だしなみ基準」ができたら、採用後ではなく、採用試験前に提示することを、おすすめします。
つまり「入社したらこのようなルールがありますが、いいですか?」と確認するということですね。
そんなこと、採用してからでいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
しかし案外こだわりがある人もいるものです。
そのこだわりを曲げてまで就職したいとは思わない、という人もいます。
そうです、実際にいました。
「まつげエクステ、つけまつげ禁止」
と言われた瞬間に、
「私はまつエクなしで人前に出られません。だから会社を辞めます」
と言って辞めていった、ある企業の新入社員が。
せっかく縁があって入社してくれたのに、これでは双方にとって、不幸ですね。
価値観は人ぞれぞれです。
それを自分の物差しで推し量って大丈夫だろうと考えることもできませんし、そんなことぐらいで会社を辞めるなんて!と非難することもできません。
こうした双方のストレスをなくすために、あらかじめ提示して、同意を得ておけば安心です。
基準を決めたあと、次にやること
もう一つ忘れていけないことがります。
基準を決めたら、在籍社員にも周知徹底をお願いします。
新入社員に「これがわが社の身だしなみ基準です。守ってください」と伝えたのに
先輩や上司が守っていなければ、
新入社員には「あら?守らなくていいの?」と伝わってしまいますし
たとえ、新入社員が基準通りにできていなくても、注意しにくいですよね。
社内の基準が明確になることで得られるもの
社内の基準が明確になり始めると、社内のコミュニケーション・人間関係が良くなります。
基準に沿って考えればいいですし、できていない人の注意もしやすくなります。
感情のもつれも少なくなるでしょう。
髪の毛の色を注意する方法を考える前に、髪の毛の色の基準を明確にしましょう。
そして、基準に照らしあわせて、新入社員が自分で判断できるようにすることで、先輩社員が注意することもなくなっていきます。
まだ基準がないという場合は、ぜひ取り込んでみてください。
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