東海バネ工業株式会社様(豊岡神美台工場)の視察レポート
こんにちは、三厨万妃江です。
弊社の主催する「人材育成実践会」では、8年前(2014年)から、年に一度、企業視察一泊研修を行っています。
人材育成や社員教育内製化に、ご一緒に取り組んでいる経営者のみなさまとの合同研修です。
2022年は、東海バネ工業株式会社様の豊岡神美台工場へ視察に伺いました。
今日は、視察レポートをお届けいたします。
東海バネ工業様を視察した理由
東海バネ工業様とのご縁は、「日本で大切にしたい会社大賞」に端を発します。
「日本で大切にしたい会社大賞」とは、ベストセラー作家、坂本光司先生のご著書『日本でいちばん大切にしたい会社』から設立された顕彰制度です。
弊社のお客様が、第5回「日本で大切にしたい会社大賞」にて、審査委員会特別賞を受賞なさった際、東海バネ工業様の先代社長様(二代目)とご挨拶させていただいたことがきっかけとなりました。
今年は、第12回「日本で大切にしたい会社大賞」において、東海バネ工業様は、中小企業庁長官賞を受賞なさっています。
5月に、三代目社長である夏目様のご講演を拝聴する機会がありました。
そのご講演と取り組みに感動し、視察させていただきたい!という私の思いから実現したのが、今年の企業視察一泊研修です。
東海バネ工業株式会社様とは
そのお名前の通り、ばねをおつくりになっているのですが
- 平均受注ロット 5個
- 多品種・微量・オーダーメイドに特化
という点は、おそらく製造業に携わっていらっしゃる方でしたら、まずは「へえ~」と思われることでしょう。
東海バネ工業様からいただいた会社案内の冒頭には「ばね1本でお困りのお客様がいる限り」と書いてあります。
ばね1本でお困りのお客様の「ありがとう!助かったよ!」という言葉のために、全力を尽くしていらっしゃいます。
世界一高い自立式電波塔である、東京スカイツリー。
そのてっぺんにも、東海バネ工業様のばねが使われています。
確かに、スカイツリーって一つですから、それに使うバネを量産してもらう必要はありませんものね。
他には国産のロケットなどにも使われているそうですし、かと思えば、お客様が大切に長年乗っていらっしゃる車でもう部品が生産されていないものの「その1つのばね」をも、受注なさるそうです。
お客様のお困りごとを解決する「職人技」をばねというカタチにしてご提供。
ばねで困ったら東海バネに言えばよいと思っていただけるように、ということです。
夏目社長の講演をお聞きして
今回の視察研修では、社長の夏目様の講演もお聞きしました。
夏目社長がどんな経緯で東海バネ工業様に入社することになったのか、社長になられた経緯などをお聞きして、ひとつ思い出したことがあります。
まだ先代社長のころの話です。
何年か前「人を大切にする学会」の関西支部の勉強会に参加したとき、懇親会で、たまたま東海バネ工業の社員の数名の方とご一緒できたことがありました。
若い社員の方でした。
その社員の皆様が「仕事がとても楽しいです」とおっしゃっていたのです。
職人さんに限らず、おそらく「仕事が楽しい」「やりがいがある」「会社に誇りを持っている」という気持ちは、社員の皆様の中にあるのだろうな、と思います。
そしてそれは、最近始まったことではなく、脈々と受け継がれたものがあるのでしょう。
まさに、それを裏付けする夏目社長のご講演でした。
とても素晴らしい会社ですから、ご興味がございましたらぜひ見学を申し込んでみてください。
コロナ前は、年間600名ほどの方が見学にいらっしゃっていたとか。
夏目社長からの直接のお言葉をお聞きになることで、感じることが必ずあるはずです。
東海バネ工業株式会社様の人材育成
東海バネ工業様の「職人技」は「啓匠館」という、人材育成のための施設で育まれます。
ばねに関する国家資格1級が3種類あるのだそうですが、この3つすべてを持っていらっしゃる社員の方が、東海バネ工業様には26名いらっしゃいます(2020年現在)。
26名とは、日本全体でみると、どれくらいの割合だと思われますか?
実は、2020年現在、ばね工業会全体では100名。
ということは、その4分の1以上が、東海バネ工業様にいらっしゃるということです。
「啓匠館」の壁面には、「職人技」の匠、26名の方の「手形」が飾ってありました。
東海バネ工業様で職人として働く方はみな、おそらく「いつかはここに自分の手形を!」と思っていらっしゃるのでしょうね。
そして、東海バネ工業様にはそれができる環境があります。
仕事を通して、そして、啓匠館での職人技を磨く人材育成を通して。
ひとつひとつの仕事は、毎回一つとして同じものはないはずです。
何とかしてお客様のお困りごとを解決したいという思いが、職人技を磨くことにつながります。
また、解決したいと思うからこそ、さらに啓匠館で自身の技を磨くことに励まれるのではないでしょうか。
「人材育成」について考えるとき
- 仕事を通して育成ができる
- 仕事でもっと向上したいと思うときに、それを叶える環境がある
これはとても理想的なことだと思いました。
人を育てるときには、「指導」という側面で知識や技能を「教える」ことが必要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
その人を「やる気にさせる」という「育成」の視点が必要です。
「育成」は、先輩や上司がその姿・あり方を「みせる」ことで育まれます。
こうして考えると、東海バネ工業様の人材育成のすばらしさを、感じるばかりです。
「人をやる気にさせる」ことを仕事を通してできるって、すばらしいですよね。
以上で、視察レポートは終了です。
さて、あなたの会社では「指導と育成」この二つがそろっていますか?
二つ、そろうことが重要です。
そして特に大切なことは、先輩上司が「みせる」ことです。
もし、できているかどうかわからない、といった場合は、弊社にぜひご相談ください。
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